恋愛、結婚、というものに
ますます絶望した私は
さらにさらに、仕事に没頭していきました。
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このシリーズ全話のリストは、こちら↓
このころには、毎晩
終電がなくなるまで働き
タクシーで帰るのが
当たり前になっていました。
最初は
所長に叱られてばかりだった私でしたが
すっかり信頼されて
難しい仕事を次々とまわされ
臆することなく、それらを
どんどんこなしていきました。
仕事というジャンルに限定して言うなら
このころは、とっても充実していて
夢にも野望にも満ち溢れていましたね。
他方、恋愛というジャンルでは
「もういいや」って感じでした。
そりゃあ、本音を言うなら
一生恋はしない、なんて
寂しいことは望んでいませんでした。
結婚だって
一生できないのかなって考えると
それも寂しいなあとか
将来が心配になったりもしましたし・・・。
でも、これまでの恋愛でズタズタに傷つき
そこから立ち直ろうと頑張るうちに私は
普通の男性以上に強くなってしまいました。
強いうえに、傷ついているがゆえに
凶暴でもありました。
頼りない男性が、目の前に現れようものなら
「アンタみたいなヘナチョコに
私を助けることなんて、できへんやろっ!」
と、噛み殺す勢いでしたねw
当時の私はまさに、”手負いの虎”でした。
甘えさせてくれる
優しい彼氏はほしい。
でも、優しいだけでは
男性として愛せない。
(前回の経験で学習済み)
屈強な私以上に
強くて男らしい人でなければ・・・。
でも、こんなに高いハードルを
クリアできる男性なんて
どうせ、おらんわ。
だったら
もう諦めるしかないやん
そう思っていたんですね。
そんなわけで
「いっそ、仕事と
結婚しちゃおうかな?」
くらいに、仕事にのめりこんでいった私。
ところで、職場には
司法書士の資格はないものの
補助者としてはベテランで
実務がバリバリできる先輩がいました。
まあ~、その先輩が、超いけ好かん男で!
私が初めて事務所に出勤した日
事務所員一人一人の席を
挨拶してまわったんです。
そして、この先輩のところにも。
ところが、私のほうなんて見もせずに
デスクに肘をついて
たばこをぷっか~って吹かしながら
「ん」
と返事しただけだったんですよ。
(返事かよ、これがっ!?)
ホンマに腹が立って
「ちゃんとこっち見て、たばこも置いて
挨拶せんか~~~いっっ!」
って言いたかったんですが
グッとこらえましたよ
なにせ、新人でしたから。
その後も
何か分からないことが出てきて
訊きにいっても
「そんなんも知らんのか」
とか
「事務所には本がいっぱいあるんやから
自分で調べろ」
とか
えっらそ~に!
まあ、後で本人から聞いた話だと
私が入る前に、同じように
新人司法書士として入ってきながら
1ヶ月も経たないうちに根をあげて
辞めていった人が、何人も続いていたそうで
「どうせコイツも、大して続かんのやろう。
くそ忙しいときに入ってきやがって
すぐにやめられたんじゃあ
こっちが仕事を教えても
時間も手間も無駄なだけやんけ」
という目で見ていたのだそうです。
しかも、入所後しばらくの私は
まだ例の超自立男性と付き合っていて
「彼の海外転勤のために退職?」
なんていう不安があって
仕事に100%
打ち込んではいませんでしたから
そんな中途半端な私の姿勢を見て
腹も立っていたのでしょうね。
ですから、この先輩との関係は
入所してからしばらくは、険悪でした。
でも、このころになると
私も、仕事にめいっぱい打ち込んでいたので
彼の私に対する態度も
変わってきていました。
分からないところを訊けば
教えてくれました。
「ちょっと、これ手伝ってくれる?」
と、仕事をまわしてくれることも
でてきました。
この先輩の持ってる仕事って
マニアックで
面白い仕事ばっかりだったんですよw
他の人たちは
彼の仕事を手伝うのを尻込みしましたが
(なにせ、リスキーで
ややっこしかったですから。)
私は大喜びで手伝いました。
なので、ますます
先輩と仲良くなりました。
そんなある日
いつものように残業をしていると
所長にまた、仕事を渡されました。
それは
私がやったことのない仕事でした。
契約書やらいろんな書類を
ゼロから作らなければならず
時間もめちゃめちゃかかりそうでした。
他の人たちは、月末ということで
普段よりバタバタしていて
手伝ってもらえそうなのは
私よりも新しい事務員さん1人だけ。
その新人さんも
自分では何から始めたらいいのか分からず
ワープロ(この当時は、まだ
パソコンなんてなくて、ワードプロセッサ
「ワープロ」だったんですよ。)の前に座り
私の指示を待っています。
・・・困りました(泣)
指示しようにも
私も何から始めたらいいのか
さっぱりでしたから。
自分1人で途方に暮れるのと違い
「私がちゃんと
この新人さんをひっぱっていかなきゃ」
っていう妙なプレッシャーも加わって
ますます心細くなりました。
「わあ~ん
こんなの、私には
できましぇ~~~ん(泣)」
久々に
すべてを投げ出したい衝動にかられました。
このとき新人さんに
どんな口実を使ったのか忘れましたが
私は、いったん
事務所の外の廊下に出ました。
そして、ほとんど人の通らない
階段に座り込み、しばらく
こっそり泣いていました。
屈強な私も、さすがに心細すぎて
心が折れてしまったようです。
でも、それも10分ほどで終えて
気を取り直して、事務所に戻ると・・・
例の先輩が、自分のフロッピーディスクを
渡してくれたんですね
「ここに入ってるファイルが
たぶん参考になるから」
って。
いやあ、ホンマに助かりましたね~。
後で本人から聞いた話ですが
このときの私は、彼の目には
(他の人は全く気づいていませんでした。)
いつになく弱々しく見えたのだそうです。
そして
「助けてあげたい」という気持ちに
なったのだそうです。
彼いわく
「このとき初めて、女性として意識した」
のだそうです。
それまでは
女性やなかったんか~~~いっ!?
って言いたくもなりますが
まあ、そうなんでしょうねえw
で、このことが(たぶん)きっかけになって
この後しばらくしてから
付き合うようになりました。
付き合う前から知っていたとおり
彼は自立男性でした。
でも、今までの超自立男性よりは
自立は緩め、という感じ。
しかも、自立男性でありながらも
私の弱音や甘えも
優しく受け止めてくれました。
これについては、ものすごく意外でしたね。
私は依然として、”手負いの虎”でしたが
彼は、私以上に屈強な男でしたので
私に噛み殺されずにすんだのですw
彼の前では、私は虎ではなく
猫になることができましたwww
いま思えば、それまでの私は
振り子みたいに、極端から極端に
振れてるようなものだったんでしょう。
超自立男性との恋に傷つきすぎて
こんどは、極端に
何でも言うことを聞いてくれる男性を
選んでしまい・・・。
自立が強すぎる男性は
自分の中の弱さや甘えといった
「依存」を嫌っているぶん
私の「依存」も嫌うので
付き合うと寂しくなったり
しんどくなったりします。
依存が強すぎる男性は
自分の中の「依存」を受け容れているぶん
私の「依存」を嫌ったりはせず
なんでも言うことを聞いてくれますが
自分の力で頑張るとか
相手に与えるといった「自立」が弱いため
頼りなかったり、物足りなかったりします。
どちらにしても、極端であるということは
付き合ううえで、いろいろと
問題があるんですよね。
なんでも、ほどほどが一番
ってことでしょうか。
強くて、頼りになって、それでいて
ほどほどに甘えや弱さも受け容れてくれる
そんな自立と依存のバランス。
そして今回、そんな男性が出てきたのです。
”手負いの虎”を大人しくさせるだけの
強さもあり、そして
甘えや弱さも受け容れられる
ほどほどにバランスの取れた男性が☆
そんな男性、出てこないだろうなあと
諦めていたのですが、なんと意外にも
職場という身近なところで現れました。
灯台下暗し、です☆
しかも、あの
「いけ好かん」と思っていた先輩が!?
これは私にとっては
「醜いカエルも、呪いが解けてみたら
ステキな王子様でした~☆」
ぐらいの化けっぷりですw
しかし・・・
彼には大きな問題がありました。
それは
彼が既婚者ということでした。
また、確かに彼は、自立男性であり
私以上に強くて、頼れる男性でしたが
こと恋愛においては
依存の傾向があったのです。
以前、お話ししましたよね
自立の強すぎる人は、バランスを取るように
特定のジャンルでだけ
依存の傾向を見せることがあるって。
以前の私もそうでしたが
この彼も、そうだったんです。
しかも、私は私で
「もう恋愛にのめりこまない、依存しない」
と決めていたので、彼との恋愛においても
自立のスタンスを取ることになります。
このことが彼と私の関係に、出だしから
ものすんごい波乱をもたらします。
次回に続きます☆↓
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