アニメ『ルパン三世』に出てくる
峰不二子という女性。
彼女は一応
ルパンの仲間ではあるのですが
自分の欲望のままに動き
欲しいものを手に入れるためなら
ルパンをだましたり裏切ったりもするし
オンナを武器に
敵方のボスに取り入ったり
取引したりしますよね。
自由奔放な小悪魔女性
っていう感じでしょうか。
でも、うちの親父は
そんな彼女が大嫌いです。
いや、それどころか
激しく憎んでいます。
私が幼いころ
彼女がテレビ画面に出てくると
うちの親父は、まるで親の仇みたいに
激しくけなしたものです。
(たかがアニメなのに・・・)
ずるい
理性がない
感情的だ
気が強い
わがままだ
というのが、主な理由のようです。
当時の私には、そんな不二子が
女性の本質を表しているような気が
していたんですけどね。
それから、もう一つ
親父が不二子を嫌う理由があるようです。
それは、グラマラスなこと。
基本的に、親父は
ボン!キュッ!ボン!な女性は嫌いで
いくつになっても少女っぽい雰囲気
体型、性格の女性が
好みのようなのです。
つまり、親父は
典型的な「大人」の「女性」が嫌い
ということでしょうか。
親父に確認したことはないので
私のこの解釈が
本当に当たっているのかどうか
分からないのですが
少なくとも当時の私は
そんなふうに感じたんですね
「お父さんは、大人の女性が嫌いなんだ」
って。
また、不二子にかぎらず
ことあるごとに親父は
「女は、頭が悪いから」
とか
「女は、すぐに弱音を吐くから」
とか
「女は、すぐに人を頼るから」
など、女性そのものを批判しました。
そんな親父の言葉に
「私も女の子なんですけど・・・」
と腹立ちをおぼえましたが
小さいころからお父さん子だった私は
「お父さんに愛されるには
頭が良くて、強くて
人に頼らず自力で頑張る
そんな女性にならなきゃ」
と考え、感情的になること
弱音を吐くこと、人を頼ることを
自分に禁止し、理性で自分をコントロールし
自分の弱さを嫌い
なんでも自力で解決しようと
頑張るようになりました。
その頑張りのおかげで
学校での成績は、常にトップクラスでした。
でも、女性のみなさんも
一度は感じられたことがあるかと思いますが
女性って、ちょっと失敗したり
弱音を吐いたりすると
「これだから、女は・・・」
と批判されるし、頑張ったら頑張ったで
その頑張りに見合った進路や待遇、ポストが
男性並みに用意されていなかったりして
「男に生まれてくれば
よかったのにねえ・・・」
と残念がられて、悔しい思いをしたり
(私はこれを、高校受験のとき
担任の先生から言われました。)
頑張りすぎて、出すぎてしまうと
「女のくせに・・・」
と責められる・・・
親父だけでなく、世間全体から
そんな空気をひしひしと感じることが
少女時代の私にも、多々あったのです。
そんなことが積み重なって、私は
自分が女性であることそのものを
呪うようになりました。
そして、私は
「よし、これからは
屈強なオトコとして、生きていこう☆」
と、意識的に決意したおぼえはないのですが
気がつけば「オトコの人生」を
まっしぐらに突き進んでいました。
オンナであるかぎり自分は
お父さんからも、他の人からも
世の中からも、愛されない
おそらく、そう感じて
オンナを捨ててしまったんですね。
でも、どんなにオンナを捨てても
私が本来女性であることは
完全には拭いきれないわけで・・・
そこの葛藤で
のちのち苦しむことになります。
次回に続く☆↓
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